フード・レシピ
簡単!おいしい!和の万能調味料「かえし」のススメ
「かえし」は、しょうゆ、みりん、砂糖から作る調味料です。これにだしを合わせると、うどんやそばのつゆになります。作り方はとても簡単で、天つゆや丼物などの味付けや、肉や魚の下味にも使うことができるすぐれもの。便利でおいしい万能調味料「かえし」をご紹介します。
家にある調味料で簡単にできる「かえし」。1本で「和」の味付けが楽に
材料は、しょうゆ、みりん、砂糖のみ。これらを混ぜて加熱して寝かせると、かえしになり、かえしにだしを合わせると、うどんやそばのつゆになります。
だしと合わせる濃度によって、煮魚や野菜の煮汁、天つゆ、割り下、丼物のつゆなど、さまざまな「和」の料理に使えます。照り焼きや、竜田揚げなどの下味を付けるのも簡単です。
市販の「めんつゆ」も何かと便利ですが、希釈の割合によっては、だしの風味が薄くなってしまうことも。「かえし」+「だし」なら、味付けもだしの風味も自分の好みに調節できます。また、添加物なしで作ることができるので、市販品の添加物が気になる人にもおすすめです。
<基本の分量>
しょうゆ 500cc
みりん 100cc
砂糖 90g
実家で作っていた配合です。お好みで、割合を調整してください。
<作り方>
1. 鍋にみりんを入れ、中火にかけてひと呼吸おく(写真左上)
2. 1にしょうゆを入れて、温かくなるまで待つ(写真右上)
このとき、沸騰させないように注意します。
3. 2に砂糖を入れて(写真右下)、煮たつ前に火を止める
砂糖が溶け切るまで、30分くらいそのまま置きます。
4. 3をもう一度火にかけて、鍋の表面一面に細かい泡が立ったら火をとめる(写真左下)
5. 鍋の中身を容器に移し、紙やラップなどで軽くふたをして、冷暗所で4〜5日寝かせる
このとき、密閉はしません。
できたばかりのかえしは、しょうゆの味が目立ちますが、寝かせることで、しょうゆの角がとれて、まろやかな味になります。長期保存する場合は、瓶など、きちんとふたがしまる容器に入れて、冷暗所で保管します。
温かいそばつゆ、かえし:だしの割合は1:10を目安に
温かいそばやうどんつゆの場合、かえし:だしの割合は1:10、冷たい場合(つけつゆ)は、1:4を目安に混ぜます。
だしを取るのはたいへん……という方には、昆布、干ししいたけ、鰹節などの材料を水につける「水だし」をおすすめします。冷蔵庫で1晩くらい置くと、おいしいだしが取れますよ。
かえしがあれば、味付け卵もラクラク
好みのかげんにゆでた卵を保存袋に入れ、かえしを入れるだけ。かえしがあれば、しょうゆ、砂糖など、調味料を毎回計量する必要がないので便利です。
もちろん、かえしだけでなく、お好みの調味料をプラスしても。写真では、酢を足しました。かえしと酢が同量入っています。
イワシの竜田揚げ、下味はかえしに3分漬けるだけ
かえしにおろしたショウガと酒を加え、イワシにからめて下味を付けました。開いてあるイワシは味がしみやすいので、漬け時間は3分くらいで大丈夫です。
片栗粉をつけて、カリっとなるまで2〜3分油で揚げます。甘辛の味付けが、お弁当にぴったりです。
鶏の照り焼きの下味もかえしでOK
鶏の照り焼きの下味も、かえしで簡単にできます。
肉の厚い部分に包丁を入れます。30分以上漬けると味がしっかりしみ込むので、朝準備して、夕食に焼いて食べる、寝る前に準備して、朝焼いて弁当に持って行くという感じで下味をつけると、時間をうまく使えますね。
写真の鶏肉は、イワシの竜田揚げに使った調味料に、かえしを足して下味をつけ、魚焼きグリルで焼きました。途中、下味で使用した調味料の残りをハケで皮にぬり、こんがりいい色に焼き上げました。
他にも、卵かけごはんのしょうゆ代わりに使ったり、「下味冷凍」の下味に使ったりと、何かと便利なかえし。簡単にできるし、熟成後の味と香りは、かけた手間以上のものが得られると思います。
<ライタープロフィール>
土いじりが好きな兼業ライター
竹内百合
所属:comorieサポーター
北国でガーデニングと家庭菜園を楽しんでいます。趣味は保存食づくり。ロシアのダーチャの棚にずらっと並ぶ瓶詰に憧れています。